このたび、北海道高等学校遠隔授業配信センター(愛称:T-base)の英語科の先生よりご依頼をいただき、北海道寿都高等学校の生徒さん向けに、英語によるオンライン特別授業を実施させていただきました。
●遠隔授業で可能性を広げる、T-baseの挑戦
T-baseは、地域にある地元の小規模校からの進学などの支援のために、1学年1クラスの道立高校のうち、地域連携校の指定を受けた30校と同率の利尻、礼文高校2項の計32校に多様な進路希望に対応できる授業機会を提供する取り組みを展開されています。
広大な北海道では、地域によって教育インフラや人材のばらつきが起こりがちです。
そんな課題に対して、距離や規模を越えた「学びの選択肢」を届けるというT-baseの取り組みは、本当に価値のあるチャレンジだと感じました。
今回、そのような取り組みのなかで外部講師としてお招きいただけたことはとても光栄であり、当日を迎えるのが心から楽しみでした。
●授業風景|高校生と創る、リアルな英語コミュニケーションの場

今回の授業では「英語でのプレゼンテーション」と「その後の英語による質疑応答」というご依頼をいただき、全編英語での50分間となりました。
正直、高校生の授業で50分間オールイングリッシュと伺ったときは、かなり驚きました。
すべて英語での授業というのは、日ごろの先生方の指導に加え、何より生徒さん一人ひとりのモチベーションが高くなければ成立しない内容です。
英語塾のように「学ぶ意欲のある人が集まる場所」ではなく、公立高校の中でこうしたチャレンジを可能にするのは、本当にすごいことだと思います。
授業当日、私からは留学を含む自身の英語経験や、社会人としてのキャリア、そして起業に至るまでの歩みを英語でお話させていただきました。
生徒の皆さんが将来を思い描くヒントになればという思いで構成した内容です。
どこまで伝わるか正直不安もありましたが、生徒の皆さんは終始真剣に耳を傾けてくださり、後半の質疑応答も非常に活発でした。
印象的だったのは、どの質問も、一人ひとりの現在地や悩みが垣間見える質問ばかりだったこと。
今まさにインターンに行ったり、進路選択に直面している高校生だからこその熱量が、しっかりと自分の言葉で紡がれていました。
回答する私自身も思わず考えこんでしまう深さがありましたが、過去の経験や失敗談も交えて、できるだけリアルな言葉でお返ししました。
授業後には、生徒のみなさんから英語での追加メッセージや質問も届き、一通ずつ丁寧にお返事を書かせていただきました。
どのメッセージにも、英語で伝えようとする努力や、将来へのまっすぐな想いが詰まっていて、読みながら思わず目を細めてしまう場面も多々ありました。
「間違えてもいい」「寄り道してもいい」 そんな風に自分を肯定できるようになるには時間がかかることもありますが、それを伝えられる立場として、今回のような機会をいただけたことを改めてありがたく思っています。
●いただいたフィードバックより
本授業ご担当の先生からは、以下のようなご感想もいただきました:
日頃の授業や試験の面接とは違う、非常にリアルなインタラクションができた。
生徒にとっては会話の速度が速いかとも思ったが、だからこそ現場に近いコミュニケーションという貴重な体験になったと思う。
経験に基づく言葉としての説得力があり、特に、これまでの経験がすべて繋がっているというメッセージや、「間違えても無駄なことはない」という前向きな姿勢は生徒にも響いたと感じている。
ありがたいお言葉をいただき、私自身も大きな励みになりました。
今後も、地域や立場を問わず、「世界と繋がるきっかけを届けること」に関わっていけるよう、引き続き努めてまいります。
T-baseの皆さま、寿都高校の生徒の皆さま、素晴らしい機会をどうもありがとうございました。

