海外からお客様を迎える――その舞台裏には、たくさんの準備と、細やかな気配りが必要です。
今回は、アメリカ・ウィスコンシン州マディソン市からの訪問団を迎えるにあたり、我々(株)TriMieuxがどのような形でサポートを行ったのかをご紹介いたします。
●北海道帯広市とウィスコンシン州マディソン市のつながり
帯広市とマディソン市は、20年以上にわたって姉妹都市交流を続けてきました。正式な姉妹都市提携に先立ち、民間レベルでの交流も長く続いており、その歴史は深く、温かな絆に支えられています。
これまでの交流分野は、文化、教育・学生交流、精神保健、食品、農業など多岐にわたり、年を追うごとに深まっています。
そして今年は、提携20周年という大きな節目。
その記念すべき年にあたる今回の来日を、教育・行政・民間が連携して迎えることとなりました。
●弊社が担当したこと|調整・アテンド・通訳まで
今回、弊社は帯広・マディソン交流協会様および帯広市役所様と連携し、訪問団の受け入れに際して全体のコーディネーション業務を幅広く担当させていただきました。
内容は、単なる通訳やアテンドにとどまらず、企画段階から現場の運営までを一気通貫で支える役回りです。
20周年という節目の交流だったこともあり、準備は3か月以上前からスタート。
帯広では対面で、マディソン側とはオンライン形式で、毎週の打ち合わせを欠かさず実施しました。スケジュールの調整や訪問内容の設計、事前の合意形成など、細部まで丁寧に詰める必要がありました。
このプロジェクトで印象的だったのが、日米で異なる「時間感覚」や「合意のしかた」への対応です。
日本側は「早め早めに確定させたい」。
対するアメリカ側は、「そのうち決まるでしょ。あれもいいし、これも面白そうだね!」と、柔軟さと自由さが魅力でもあります。
その両者の間をつなぎながら、どこからが本気の提案で、どこまでが思いつきなのかを見極め、先回りして動線を整える――
この“熱意”をうまく拾いながら、実現に向けて先回りして道を整えるのも、弊社の役割です。
できる限りご希望に沿いつつ、タイミングが合わないものについては「今後のアイディア」として調整をしていきます。
また、資料づくりも重要な仕事のひとつでした。
日英の翻訳はもちろん、もともとの日本語原稿が存在しない場合にはゼロから原稿を作成する過程もサポート。
訪問先の紹介資料、日程表、司会原稿など、多くのドキュメントを日英両方で整え、相互に齟齬がないよう細かく調整しました。
そして迎えた受入期間。
マディソンの皆さまには、大学、牧場、神社、茶道体験、市街地の街づくり見学など、帯広の魅力をまるごと体験していただきました。
ただ、ちょうどその週が帯広にしては異例の猛暑日続き。
スタッフも訪問団も連日汗だく、全員がへとへとになる中で、朝から晩までのプログラムを無事に走りきりました。
加えて、当日の通訳・アテンドだけでなく、歓迎会の司会進行、現場での急な予定変更への対応など、常に「次に何が起こるか」を先読みしながら動く日々。
たとえば――
- 記念品の交換について「相手が用意しているかを探ってほしい」、あるいは逆に、「こちらが辞退したいので上手に伝えてほしい」といったマナーの調整、
- 「この話題、どのタイミングで切り出せばいい?」といった場の設定、
- 急に追加された提案の背景を確認して、実現可否を見極めておく……など
こうした“翻訳だけでは解決できない要望”を丁寧に汲み取り、関係者全体が安心して動けるように裏で支えることこそ、弊社のコーディネーションの真価だと感じています。
とにかく濃密で、全力で走り切った1週間。
終わった瞬間は文字通りぐったりでしたが、それ以上に「やってよかった」と思える交流の場でした。

●こんなご相談も承っています|交流の「裏側」もまるっとサポート
(株)TriMieuxでは、通訳・翻訳にとどまらず、国際交流の“見えない部分”も含めたトータルサポートをご提供しています。
自治体・教育機関・企業など、さまざまな立場の方からのご相談をお受けしています。
国際交流の現場では、「その場の通訳」や「資料の翻訳」だけではカバーしきれない、“見えない準備” や “つなぎの仕事”が数多く発生します。
たとえば――
「相手の文化的背景をふまえて、どう表現すれば気持ちが伝わるか」
「この段取りで相手にどう見えるか」
「贈り物はどの程度が適切か」
「実は裏で何か起きているかもしれないが、表に出さずにどう対応するか」
そういった“言葉にされない部分”こそが、交流の質を左右することを、私たちは経験を持って実感しています。
(株)TriMieuxでは、こうした国際交流の裏側まで含めたトータルサポートを行っています。
単なる通訳・翻訳の域を超え、関係性づくりの土台を支えるのが私たちの役割です。
自治体や教育機関はもちろん、企業や個人の方からのご相談にも対応可能です。
公式なイベントの裏方から、日常的な異文化対応まで、「これ、誰に頼んでいいかわからないんだけど……」という段階からでも、どうぞ気軽にお声かけください。
実は私自身も、学生時代に姉妹都市交流プログラムに参加していた一人です。
そのときの経験が、今のTriMieuxという会社を立ち上げる原点のひとつになりました。
まさかこうして、プロとして、支える側として関われる日が来るとは――
今回のお話をいただいたときには、かなり胸が熱くなったものです。
言葉は、ただ「伝える」だけではなく、「伝え合う」ためのもの。
文化が違っても、言語が違っても、その奥にある気持ちが通じ合ったとき、はじめて「交流」になるのだと思います。
(株)TriMieuxはこれからも、人と人の間にある“想い”を、そっと、でも確かにつなぐ存在でありたい。
そして、そうしたつながりが、誰かの記憶に残る“温かい場”を生み出す力になると信じています。
●国際交流や異文化コミュニケーションに関するお悩み、ご相談ください
「こんなこと頼んでも大丈夫かな?」という段階からでも構いません。
(株)TriMieuxでは、一人ひとりの背景や思いを大切にしながら、丁寧に伴走させていただきます。
お問い合わせは、以下のフォームからお気軽にご連絡ください。